「サラリーマン狙い撃ち」の政府税調報告書

 6月21日に政府税制調査会の報告書「個人所得課税に関する論点整理」において、給与所得控除や配偶者控除の見直しが提言されました。

■サラリーマンに「増税」直撃
  給与所得、配偶者、扶養、特定扶養の各控除を全廃した場合、所得税(国税)と個人住民税(地方税)の総増税額は、17兆円を超える巨額な規模になります。報告書の提言は、控除の全廃までは想定していませんが、やり方によっては10兆円以上の大増税にもなりうるものです。税調会長は「サラリーマンが(負担の)核」と明言しており、取りやすいところから取るということが鮮明になっています。
<主な政府税調提言内容>
項目  方向性
・定率減税 廃止
・給与所得税控除 縮小
・配偶者控除 廃止
・扶養控除(年齢制限の導入) 縮小
子育て支援の
税額控除化へ
・特定扶養控除 廃止

* 仮に給与所得控除が3分の2に縮小されると、年収500万円の世帯(夫婦と子1人)で年間約9万6000円、年収800万円の世帯(同)で、年間約20万円の負担増との試算結果も出ています。〔出所:6月24日毎日新聞(第一生命経済研究所試算)〕

■税制議論の前に「行政改革」と「安定した社会保障制度の確立」を
 まず行政改革から着手すべきであり、政府の提言は順序が逆になっています。増税議論の前に、公共工事・特殊法人・公務員人件費・社会保障制度などの大幅見直しに、即座に取り組む必要があります。地域主権型の社会をつくる地方分権も、財政健全化の観点から必要です。国・地方の役割分担を整理し直し、この役割分担に応じた税の配分が必要です。これにより、独自の判断で地域のことは地域で決めることができるようになり、地域の活性化につながります。
 また、今後本格的な少子高齢社会を迎えるにあたって、年金をはじめとした現行の社会保障制度をきちんと改革し、安定させることで国民の先行き不安をなくすことが重要です。
 このように、行政改革や社会保障制度改革に取り組んだ上で、所得税や消費税を含めた税制のあり方を検討すべきです。


(6月下旬記)