産業活性化につながる「有限責任事業組合」

 「有限責任事業組合法(LLP法)」が、4月の参議院本会議において可決され、今夏にも施行される予定です。この法律は、新事業を始める事業者に対し、税や経営上の負担をできるだけ軽くし、中小企業、大学、研究機関などが連携して、独創的なアイデアや技術力などを活用した新事業を展開しやすくするというものです。

[有限責任事業組合(LLP)の主な特徴]
有限責任制 出資者が出資額までしか責任を負わない
内部自治原則 出資者が自ら経営を行い、利益や損失の配分などを自由に決めることができる
構成員課税 出資者(構成員)に直接課税されるので、法人課税と配当課税の二重課税を回避できる

 もともと日本では、上記の特徴を兼ね備えた事業体は存在しなかったため、民法組合の特例として、出資者全員の有限責任制を定めた有限責任事業組合法(LLP法)が制定されることになりました。
 海外においても、創業を促し企業同士のジョイント・ベンチャーや専門人材の共同事業を振興するため、LLP*(有限責任事業組合)やLLC**(有限責任会社)という新たな事業体制度が整備されており、大きな成果をあげています。例えば、英国のLLPは00年に創設され、現在1万社を超えるLLPが誕生しており、米国においては、ここ10年でLLCは80万社(株式会社は100万社)が誕生しているなど、経済活性に大きく結びついています。日本においても、法人格を有する日本版LLCの導入も、06年度から予定しており、会社法改正の中で現在検討されています。  
*LLP:Limited Liability Partnership
**LLC:Limited Liability Company

 私は、4月26日の参議院経済産業委員会の質疑において、よりよい制度となるように、LLPでは出資するのみで業務を行わない等、税逃れのために悪用されないしくみにする必要があるということ、また、今後検討される日本版LLCの課税上の扱いについて、米国のような構成員課税か法人課税かを選択できる「選択制」を導入すべきということ等を主張いたしました。こうした新たな事業体制度を整備することで、中小企業同士の連携や異業種間での共同研究開発、産学連携など、産業活性化が一層進むものと期待しています。


(5月下旬記)