厚生年金と共済年金制度は公平か
〜年金制度の一元化で公平な制度に〜


年金の官民格差
国家公務員や地方公務員はそれぞれ国家公務員共済、地方公務員共済という年金制度に加入しています。厚生年金とほぼ同じ制度ですが、共済年金には、厚生年金と同様の方法で計算する本体部分のほかに、全員が加入する「職域加算」という上乗せの給付があります。(表1)






年金保険料率は、国家公務員共済が年収の14・38%で、厚生年金の13・58%より高いものの(表2)、ある年金コンサルタントは、国家公務員は月々の保険料(本人負担分)を1400円多く払えば、受け取る年金は民間サラリーマンより月額2万円近く多くなると試算しています。余計に払った保険料は年金を数年受給すれば取り戻せることになります。地方公務員の保険料は、12・96%なのでさらに有利です。
(表2)平均月収35万円(ボーナスは月収の3・6か月分)で37年間勤めた場合


1 各人の標準報酬月額に応じて支払う現在の保険料率で本人負担は、料率の1/2。
   下段の「平均年金月額」は、現在受給している人の年金額。
2 厚生年金の3階部分の「企業年金」に相当する「職域加算」を含む。
3 平成13年度末。現在年金受給している人の平均額。国・地共済は、[職域加算」を      含む。


国家公務員共済を所管する財務省は、「職域加算は民間の企業年金に相当。スト権など労働三権の制約、政治的公平性が課せられる公務員の職務特殊性に配慮して設けている」としていますが、100%納得できる説明とはいえません。民間の場合、企業年金制度を持っているのは企業全体の4割強と半分に満たないうえ、長引く不況と株安などで企業年金の解散や給付切り下げが続出しているのです。

また、企業年金は一般に退職金の一部(平均的には退職金の4割程度に相当)を年金として支給していますが、公務員の場合は退職金とは別に職域加算がついており、不公平感はぬぐえません。(表3)





年金積立の運用も官民で異なる
厚生年金の積立金の運用は、2002年度末で約6兆円の累積損失が発生していますが、その主要因は、ここ3~4年の株式の大幅な下落によるところが大です。しかし、国家公務員共済の積立金の株式運用構成比は、約8%と厚生年金の20%と比べてはるかに低い数字です。民間サラリーマンから預かった積立金の運用は、株式投資の構成比を高くした結果、大きな損失を出しているにもかかわらず、国家公務員から預かった積立金は株のような変動リスクの高いものにはわずかしか投資をしていません。年金制度の違いにより運用のルールが大きく異なることに対して、合理的な説明はできないのではないかと思います。

このように同じ給与所得者が加入している厚生年金と共済年金でみても公平でないと思われる点があり、制度間の不公平感を解消するためにも、議員年金、国民年金と合わせて年金制度の一元化を図る必要があるのです。(表4)



株式運用の他、厚生年金は国内債券68%、外国債券7%、短期資産5%、
 国家公務員共済は国内債券71%、短期資産3%、不動産4%、貸付金14%




(5月中旬記)