持続可能な年金制度の抜本改革が急務

  
少子高齢化が進展する中、現役世代、特に若年者を中心として、公的年金制度に対する不信感は、ますます高まりつつあります。自営業者や20歳以上の学生等が加入する「国民年金」の未納・免除者数は、900万人(全体の4割)にも上り、国民皆年金制度としてのわが国の公的年金制度は、まさに待ったなしの抜本的な制度改革が求められています。昨年末、政府・与党間で年金制度改正の政策合意がなされましたが、"改革"に値する内容とは程遠いものでした。

*民間サラリーマンは「厚生年金」、公務員等は各「共済年金」に加入。


持続不可能な制度を続ける政府・与党案

 政府・与党案は、少子高齢化の進展にもかかわらず、相変わらず「世代間の助け合い」つまり、「現役世代が支払う保険料を引退世代の年金給付に回す」仕組みを続けようとしています。これでは、現役世代が減少し、引退世代が増加していく中で、"保険料の引き上げ" と"年金給付の引き下げ"が繰り返されるのは、火を見るより明らかです。
 また、先ほど述べた国民年金の未納・未加入問題は、放置されたままです。 これでは、サラリーマン・勤労者及び事業主(保険料は労使折半)の理解を得ることはできません。同案は、相変わらず、その痛みを「源泉徴収を受けているサラリーマン・勤労者」、つまり、とりやすいところに付け回しているのです。グリーンピア問題*1や年金積立金の運用益の赤字に代表されるように膨大な額の年金財源が無駄遣いされてきたことの事実解明もないまま、公平感が欠如した負担増*2を強いる内容となっています。

*1 公的年金の積立金を使い、旧厚生省の計画に基づいて全国13か所に建設された大規模保養施設。ほとんどが交通の不便な場所にあり、多額の累積赤字を抱えて閉鎖される施設が相次ぎ、国は2005年度までに施設を売却し、事業から撤退する方針を決めている。
*2 2004年10月以降、14年間にわたり、労使計で毎年9000億円〜1兆円の保険料負担増。

抜本改革案を提示している民主党
 民主党は、既にマニフェストの中で、国民年金、厚生年金、共済年金と現在バラバラになっている年金制度を一本化し、その上で、新しい「2階建て」の年金制度を創設する改革案を発表しています。1階部分は財源を全て税で賄い、最低限の年金額を保証するものであり、将来的な財源確保については消費税の充当も明示しています。2階部分は、現役時代に所得に応じて年金保険料を支払い、支払った保険料に応じた年金額を受給できる所得比例年金制度であり、受益と負担の関係の明確化を通じて、公的年金制度に対する信頼感を高めることができる内容としています。
 今後、国政の場で、政府・与党の年金制度改正案の問題と限界を厳しく問いただしていくとともに、民主党の年金改革案を提示し、抜本改革の必要性を強く訴えていきたいと存じます。


(1月下旬記)