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相次ぐ工場事故で露呈したもう一つの問題
最新設備の導入が遅れている日本の製造業
先ごろ、名古屋の製鉄所のガスタンク爆発、栃木のタイヤ工場の火災と相次いで起きたトラブルは、安全管理体制の問題はもちろん、設備の老朽化も事故の原因や背景となっている可能性があると指摘されています。設備の老朽化がもたらすもう1つの大きな問題は、バブル崩壊以降顕著になってきた設備投資抑制による生産性の低下→競争力の低下という構造問題が深刻化していることです。
設備平均年齢(ビンテージ)が上昇
製造業の設備投資は、需要の低迷と設備の過剰を背景に'91年のピーク(22.5兆円)以降、減少基調で推移し、'01年度にはピーク時の5割(11.3兆円)の水準に落ち込みました。一方、設備の平均年齢は、'91年の9.3年(米国7.3年)から'02年には12.0年(米国7.9年)と約3割も延びました。また、企業のキャッシュフロー(税引後利益+減価償却費)と設備投資の関係を見ると、'80年代まで企業はキャッシュフローにほぼ見合う投資を行い、バブル期にはキャッシュフローを上回る投資が行われたのに対し、バブル崩壊後の設備投資は、キャッシュフローを大幅に下回る水準で推移し、特に、ここ数年のデフレ経済下では、景気の先行きが不透明なこともあり、企業は設備投資を抑制し、借入金の返済を優先させている状況が続きました。
設備平均年齢上昇の影響
設備投資が長期的に抑制されると、新規投資はもちろん更新投資も抑えられることになり、設備の老朽化が懸念されます。設備年齢の上昇は、生産性の低下により競争力の低下をもたらし、その競争力の低下がさらなる設備投資の抑制につながるという悪循環を引き起こす恐れがあります。現に日本の潜在成長率は、'86年〜'91年は4%強でしたが'96年〜'00年は、1%強と約3%も低下しました。主要国の'00年の潜在成長率をみると米国が4%、英国が3%弱、ドイツでも1%台後半でいずれも上昇もしくは横バイ基調です。日本の潜在成長率が大きく低下したもっとも大きな要因は、「生産性」「資本投入」「労働投入」のうち、「生産性の低下」であると'01年度の経済財政白書でも分析されています。
私は、以前から経済産業委員会でもこの問題を取り上げてきましたが、日本のものづくり産業の将来を見据えて国際競争に勝ち抜くための戦略を練り直す必要があると思います。特に、諸外国と比べ不利な点が多い税制面では、設備投資を強化していくための政策減税や減価償却制度の見直し、また、非効率となった設備の撤去の障害となっている規制の撤廃や設備の撤去を促進するインセンティブが必要です。日本経済の基盤である「ものづくり産業」の発展に向け、これからも全力でこれらの問題に取り組んでまいります。
(9月中旬記)
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