産業再生機構法が成立
産業再生の新たな手段となりうるか
〜国民負担を最小限に〜

 昨年10月に政府が打ち出した総合デフレ対策の具体策の一つである、金融と産業の一体的な再生を図る産業再生機構法案と産業再生法改正案が4月2日に参院本会議で可決、成立しました。
産業再生機構は、政府の関与(10兆円の政府保証枠や業務運営への関与)を伴う株式会社です。過大な債務を負っているものの、再建可能と判断される企業の債権を、メイン銀行以外の取引銀行(非メイン銀行)から買い取り、複数(大企業では数十行に及ぶ)の非メイン銀行の債権を集約し、メイン銀行と連携して経営再建を図り、その再建を迅速に進めることを狙いに設立され、5月の連休明けに営業を開始しました。また、産業再生法の改正は、過剰供給構造解消に向けた複数の企業による共同事業再編など事業活動の促進を図るべく、税制や商法上の支援措置を拡充するものです。
私は、所属する経済産業委員会で、「産業再生機構法案」を中心に2回にわたり質疑しました。

透明、公正な支援企業の決定が必要
 
産業再生機構が、本来、淘汰されるべき企業の延命に手を貸せば、むしろ過剰供給構造にある業種全体にとってはマイナスに作用することになります。事業再生支援の決定やその債権の買い取りの決定など重要な決定に際しては、事業所管大臣の意見も聞くことになっていますが、市場原理に反するような政治の介入は、断固排除するよう注視していく必要があります。  また、メイン銀行が持ち込む企業の再建計画(売上や収益)の是非や買い取り価格などの決定は、産業再生機構の中に置かれる7名の役員で構成される産業再生委員会が行いますが、その決定は、透明かつ公正なものでなければならず、国民に説明責任を果たさなければなりません。

債権の買取価格が重要
 産業再生機構が買い取る企業の債権価格は、「再生計画を勘案した適正な時価」となっていますが、再生計画を甘めに見積もり、産業再生機構が安易に高い価格で買い取れば、再建が失敗に終わる可能性が高く、国民負担が増大する懸念があります。有用な事業の再生ではなく、形を変えた銀行への公的資金の投入にならないよう厳しくチェックしていく所存です。  政府が産業再生機構の設置方針を打ち出してから、既に半年が経過しました。産業再生の新たな手段として、この産業再生機構が一刻も早く再生事業を軌道に乗せ、銀行とその融資先企業の選択肢の一つになることを期待したいと思います。

(4月中旬記)