第156通常国会開会経済再生策が最大の焦点

 1月20日に会期150日間(会期末6月18日)の第156通常国会が開会しました。国会序盤は、平成14年度の補正予算案の審議から始まり、平成15年度予算案、税制改正関連法案の審議が行われます。
わが国の経済は、米国のイラク攻撃を想定した原油の値上がりやドル安・円高リスク、医療費等の社会保障関係費の負担増や失業の増加による消費の冷え込み、不良債権処理の加速と株価の下落など一段の悪化が懸念されており、今国会は、日本経済の再生が最大の課題となります。また、北朝鮮の核開発問題や米国のイラクへの対応の動向によっては、わが国の経済、外交・安全保障政策の舵取りも大きく影響を受けることになりそうです。

展望が開けない経済運営
昨年秋から金融再生を含む「改革加速のための総合対応策」、14年度補正予算、15年度税制改正・予算案と小泉内閣の経済政策が出揃いましたが、経済再生の展望は見えてきません。冒頭に審議された14年度補正予算は、厳しい経済情勢と税収不足に対応して編成されましたが、雇用・失業対策、中小企業対策等のセーフティネットの内容と規模を見ても不十分な内容です。また、この補正予算により、首相が公約とした「14年度国債発行30兆円枠」を突破することになり、財政健全化の目標として「2010年代初頭に国債発行収入と元利返済を除くプライマリーバランス(基礎的収支)の黒字化」を前面に押し出し始めました。しかし、目標を遠ざけることは、問題の先送りにつながる懸念もあり、放漫財政とならないよう厳しくチェックしていかなければなりません。
平成15年度予算案では、国民の社会保障負担増、企業減税の財源確保のための酒・たばこ税の引き上げが行われ、平成16年度は配偶者特別控除の廃止を打ち出すなど、何をどうしたいのか全くわからないバランスを欠いた内容となっています。これではますます消費を抑制し、結果的にデフレが進行し、景気の悪化を招くことになりかねません。負担増や増税を国民に押し付ける前に、歳出の構造改革を大胆に行い、国民に経済・財政の展望を説明し、理解を求めるべきです。

経済再生の具体策をただしていく
今必要なことは、社会保障や失業対策、子育て支援、環境などの施策に国の持つ資源をシフトし、将来不安の解消を図るとともに、新規産業の創出や企業の活性化、住宅や自動車などのローン減税など個人消費を活性化させるなど思い切った施策を断行することです。今国会は、経済・社会の再生に向けた政府の具体策を明らかにし、その内容の是非について徹底的に論戦してまいります。

(1月中旬記)