総合的な経済対策が喫緊の課題

 9月に日経平均株価が一時、1983年以来の9,000円割れになり、その後も9,000円台で低迷しています。その背景には、米国経済の変調などの要因もありますが、基本的には構造改革の実効が上がっておらず、いまだに日本経済が脆弱であることがその大きな要因と言えます。株価の低迷が続けば、企業や金融機関への打撃が懸念されることから、目先の株価対策が毎回のように話題になりますが、本格的な経済再生のためには、総合戦略を組み立て、迅速に実行することが求められています。株価急落を受けた政府・与党のデフレ対策は、不良債権処理と減税が中心になりそうですが、いずれも以前から言われ続けてきたもので、今はそれを断行するかどうかが問われており、その場しのぎの中途半端な内容や規模では効果がありません。

遅々として進まない不良債権処理
 特に、不良債権処理は、経済再生を妨げる最大の障害です。にもかかわらず、政府は3月危機、9月危機と喧伝されるたびに、お題目では不良債権処理を促進するといいながら、実際にはその抜本処理を先送りし続けています。ペイオフ解禁の延期論も依然として金融システムの健全化が進んでいない裏返しで、金融不安はまったく解消されていません。私は、必要があれば公的資金を投入してでも不良債権処理を一気に進め、金融機能を正常に戻すことが先決と考えます。そうすることで資金を必要とする企業にお金が回り、土地などの資産価値の目減りに歯止めをかけることもできるからです。

活力ある強い経済へ
 減税では、企業を活性化させるための法人税率の引き下げが検討されていますが、財務省は多年度での税制中立(増減税±0)に固執しており、思い切った先行減税が実現できるか微妙です。法人税率の引き下げや研究開発、投資減税を行い、日本企業の国際競争力を強化する手助けを行うべきです。さらに政府は需要創出型の規制緩和や民営化の促進により、民間需要を高めて需要不足からくるデフレ脱却策も早急に進めていく必要があります。いずれにしても、デフレを克服し、強い経済に転換していくためには、単発の政策ではなく、総合戦略の中でそれぞれの政策がいかに相乗効果を高めるかが重要です。
従来の規制や縦割り行政の弊害を除去した経済特区も検討されていますが、次期臨時国会では、日本経済再生に向けて、従来の枠組みにとらわれない官の発想を超えた政治的決断を小泉内閣に強く求めていきます。

(9月中旬記)