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「韓国で感じた北朝鮮政策」
ゴールデンウィーク中に、民主党訪韓団として、数年ぶりに韓国を訪問した。隣国であり、日本にとって最も重要な国の一つであり、できれば年に1回ぐらいは訪ねたいと思っていたが、国会日程や教科書問題・靖国問題もあって、その機会を逸していた。今回の訪韓は、日韓共同のサッカーワールドカップが目前に迫る中、韓国経済も、IMF危機から立ち直り年率5%成長に好転し、さらに政治面では、本年12月の大統領選挙に向けて、与野党双方の大統領候補が固まるという絶好のタイミングとなった。それだけに、僅か4日間ではあったが、大変得るところの大きい訪韓となった。
面談相手も、盧武鉉(ノ・ムヒョン)新千年民主党大統領候補、朴槿恵(バク・クネ)議員、金錘泌(キム・ジョンピル)自民連総裁をはじめ、丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官など、多くの政界関係者に及んだ。話題も多岐にわたり、興味深い話も多くあったが、ここでは、丁統一部長官との会談で中心的話題となった、日本人拉致問題、対北朝鮮政策について、少し掘り下げてみたい。
ちょうど我々の訪韓時に、南北離散家族の面談が北朝鮮の金剛山で再開され、また北京で日朝赤十字会談が開催されていたことから、相当突っ込んだ議論となった。
北朝鮮との関係について、我々日本側が、日本人拉致問題に目途がつかない限り北との関係は深められないという国内世論を説明し、厳しい姿勢を表明したのに対し、丁長官の姿勢は、融和的なものであったことが印象的であった。彼の発言の概略は次のとおりである。「金大中の太陽政策で南北の人の往来は活発になっており、北の内部で変化が起こっている。日本が拉致問題に固執し、このまま北朝鮮を放置しておくのはどうかと思う。日本における拉致問題解決への国会決議や議員連盟の活動は理解できるが、森前総理が言ったとされる、“第三国発見”というのも、よい解決方法ではないか。」と、日本とのスタンスの違いを明らかにした。
また、私からは、韓国と北朝鮮があまり交流を進めていくと、北で体制危機が生じるのではないかと指摘したが、これに対して、丁長官は、次のような認識を示した。「全く同感である。北朝鮮は、旧ソ連や中国と異なり東ドイツの例を見ており、韓国に吸収されるという恐怖を抱いている。体制が変われば、金正日は主人公ではなくなる。したがって、金大中は、北が武力を使わないなら韓国も攻撃しないと明言し、圧迫より説得を重視している」と述べた。ここには、北の体制をギリギリ維持しながら、交流・対話政策によって、北を国際社会の枠組みに引き入れようとする韓国政府の難しい立場がよく見える。
しかし、金大中の太陽政策については、野党ハンナラ党も朴槿恵議員も、批判的な見解を述べていた。特に、ハンナラ党の李会昌(イ・フェチャン)大統領候補は“ノーフリーランチ”の原則を標榜しており、大統領選挙の大きな争点になるものと思われる。
今後の北朝鮮政策については、米国も含めた日米韓の連携と協調が不可欠であるが、一方でそれぞれの国益が異なっていることも事実であり、日本の立場を明確にした上での日米韓の共同対応を図っていくことの重要性を改めて認識した次第である。
※日刊自動車新聞「直さんの永田町Wクリック」
(5月18日掲載)
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