消費者重視型の食品行政への転換を

 BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)問題の調査検討委員会報告結果を受け、武部農相の問責決議案を提出しましたが、4月5日の参院本会議で否決されました。
 報告書で「'96年にWHOの肉骨粉禁止勧告を受けながら、法的禁止を行わず、行政指導で済ませたことは重大な失政」と指摘していることに代表されるように、日本の法律、制度、政策、行政組織は、食料難時代の生産者優先・消費者保護軽視の体質を色濃く残し、消費者保護を重視する農場から食卓までのフードチェーンに対する思考が欠如しています。また、産業振興官庁として生産者偏重の体質を族議員と共有してきたことも報告書で指摘しています。
 この問題で大切なことは、政策判断の軸足を消費者保護優先に移し、食の安全に関する包括的な法の制定と縦割り行政の弊害を排除する新たな食品行政機関の設置を進めていくことです。現在、食品衛生法やJAS法、不当表示法などがバラバラの法律体系で、行政機関も農林水産省と厚生労働省の縦割りになっています。また、政治家の影響力に頼る官僚と失政の責任を問われにくい族議員との関係が「政策決定の不透明性を助長した」と上述の委員会報告は厳しく批判しており、農政においても政と官の関係を改めていかなければなりません。
 結局は、消費者の信頼がなければ、生産者も生き残れないことが、今回の問題ではからずも証明されました。武部農相の問責決議案で終わりにせず、消費者重視型の農政へ転換すべく、これからも全力で取り組んでまいります。

(4月上旬記)