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今こそ4年前の約束である医療制度抜本改革を
小泉改革の一つである医療制度改革は、来年度改正の方針決定に向け大詰めの段階を迎えていますが、9月下旬に公表された厚生労働省試案に対し、医療側や与党の反発が本格化し、暗雲が立ち込めています。
「抜本改革」は4年前の小泉厚相の約束
そもそも今回の改革とは、4年前の97年に、当時、厚生大臣であった小泉首相が、2000年度実施を約束した「抜本改革」の実行でなければなりません。それと引き換えに、サラリーマン本人の自己負担を2割に引き上げたのです。
約束した抜本改革とは、非効率で競争が働きにくい医療提供体制、医療費膨張の原因の一つである「出来高払い制」の診療報酬体系、膨張を続ける高齢者医療費などについて、その制度を抜本的に見直すというものでありました。しかし、その後の議論は医療側の抵抗にあった自民党によって、つぶされてしまいました。
抜本改革とは程遠い厚生労働省試案
このような経緯があるにもかかわらず、今回の厚生労働省試案は、抜本改革とは程遠い内容です。患者負担増によって健康保険財政の破綻を回避することに主眼が置かれ、抜本改革の具体策は見えません。
例えば、医療提供体制を抜本改革するためには、医療機関の広告規制の緩和、カルテの開示、医療費明細書発行などを早急に法制化すべきですが、厚生労働省試案では、方向性が示されているだけです。
高齢者医療制度については、現在のように、高齢者は保険料を負担せず、各健保に自動的に負担を求める拠出金制度の廃止を前提に、再構築しなければ抜本改革にはなりません。
しかし、厚生労働省試案では、現行制度の中で、老人医療対象年齢の引き上げによる対象者の削減、高齢者の自己負担増、医療費の伸び率管理で、財政対策をしようとしているだけです。
診療報酬体系は、治療内容の標準化を進めることで「定額払い制」に転換し、その上で、国が薬価を決める公定価格制度も廃止すべきです。
しかし、厚生労働省試案では、今後「体系的な見直しを進める」としているだけで、当面 は、小手先の対策で逃げようとしています。
抜本改革の先送りは許されない
厚生労働省試案を受けて、与党としても検討が進められていますが、11月中旬の中間報告段階では、医療側の反発を恐れて、ほとんどの項目があいまいな表現に後退しています。もともと抜本改革には程遠い厚生労働省試案までもが、さらに骨抜きにされかねない状況にあります。
小泉首相は、4年前に自身が約束した「抜本改革」を果たすべきです。
(11月下旬記)
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