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胸突き八丁の小泉改革
小泉内閣で半年が経過した。内閣支持率は80%前後と相変わらず高いが、一時期のような熱狂的な盛り上がりはなく、その中身は変化しつつある。ある新聞社の世論調査によると、支持する理由は、単に「これまでの内閣よりは良い」がトップとなっており、消極的支持が増えている。また、不支持の理由のトップが、「見るべき実績がない」というものであり、今後、改革が「かなり実現できる」と思っている人は、わずか1割しかいない。国民は、目に見える実績を求め始めているし、一方で改革の実現性に危うさも感じ始めている。
事実、首相が、この半年間で実行したことといえば、ハンセン病訴訟の控訴断念と靖国神社への前倒し参拝くらいしかない。「構造改革」は、テロ対策に追われたこともあって、プログラムを作るのに精一杯で、実績は挙がっていない。また、道路4公団改革のように、本格議論が始まったものは、早くも迷走し始めた。
「聖域なき構造改革」のプログラム作りは、小泉改革の基本的内容を示す「基本方針」(骨太の方針)と、その実行プログラムを示す「改革工程表」をつくるのに5ヶ月も費やした。また、各省庁による特殊法人等の「廃止・民営化」の検討結果
も、首相の意向をあざ笑うかのように、ほぼ全省庁がゼロ回答であった。
これらは、政策決定の主導権を経済財政諮問会議を中心にした官邸に奪われることに反発する官僚が、傍観者を決め込み、主体的に動こうとしていない結果
である。
また、改革も、具体化論の段階になると、官僚や族議員の巧みな戦術に乗せられ、「改革」の形は取り繕いつつ、中身は、ほど遠い内容に後退しかねない様相を呈してきた。
例えば、道路4公団の改革では、首相は、「民営化」という組織見直しを強行することで、建設計画凍結に結びつけようという戦術であった。しかし、官僚や族議員の究極の目的は、「民営化阻止」ではなく「建設計画死守」にあり、今や、首相も、その土俵に引きずり込まれ、「計画凍結」を放棄し、建設を前提とした効率化の議論に乗ってしまっている。結局、最後には、「民営化」という形式的な改革が残るだけで、官僚や族議員に、建設続行という「実」を取られかねない。
また、今回の補正予算案も、公共事業は災害対策や廃棄物処理施設などに限定し、「国債発行額30兆円枠」を守った内容になっており、改革路線に沿っているように見える。しかし、自民党内では、早くも2次補正が議論されており、そこでは国債発行による公共事業追加が目論まれている。そうなれば、ここでも、一旦は「30兆円枠」を守ったという形だけに終わることになる。
今後、年末に向け、来年度予算編成、特殊法人改革、医療制度改革など、改革の具体化を迫られる課題が目白押しである。
経済が深刻化する中ではあるが、我が国経済が持っている潜在的な成長力を引き出すためにも構造改革を加速させていく必要があるという認識は、我々も共通
している。
首相は、初心を忘れることなく、真の改革を推し進めなければならない。
日刊自動車新聞「直さんの永田町Wクリック」
(11月10日掲載)
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