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道路公団改革は政治主導しかない
小泉政権が目指す特殊法人改革は、9月4日に所管各省庁による廃止・民営化の検討結果
が公表され、各論の議論が本格化しているが、予想通り、各省庁の抵抗に遭っている。 道路4公団についても、国交省は、「民営化の可否を検討中」と回答しただけであった。これに対して首相が、改めて、廃止・民営化の具体策を求めたことから、国交省は21日に改革案なるものを提出したが、それも、およそ改革とは程遠い内容であった。
国交省案では、道路公団、首都高速、阪神高速の3公団を単に統合して「統合公団」をつくり、そこで今まで通 り高速道路建設を続け、民営化はその間に考えるという。また高速道路整備のあり方を国交相の下に設置する第三者機関で検討するともしている。
これは、組織統合で体裁を取り繕いつつ、官僚の作ったシナリオを追認する第三者機関を隠れミノにして、建設中あるいは建設決定している約2500Kmの整備を死守するもくろみ以外の何物でもない。この約2500Kmの建設には、約22兆円の財源と20年程度の歳月が必要であり、しかも、その多くが不採算路線といわれている。
たしかに、道路公団は、現時点では、料金収入で借入金の元本も返済できている。しかし、今後の人口減少や経済の低成長率化を考えるならば、日本全体の交通
量が将来とも伸びるという前提に基づく借入金返済計画は納得性に乏しい。 本四連絡橋公団については、国交省案では、債務を圧縮して1年程度で民営化すると記述されているだけである。同公団は、約4兆6千億円に上る要償還額を抱えているにもかかわらず、通
行料収入が利払い費さえも下回り、事実上の経営破綻状態にある。国交省は、2〜3兆円を税金で処理しようと考えているとも言われている。 これら国交省の改革案には、これまで、過大な需要見積もりで国民を欺き、採算の採れない高速道路や橋梁の建設を延々と続けてきたことへの反省もないし、今回の改革論議を機会に本質的な問題解決を図ろうという姿勢も見えない。
そもそも、今回の特殊法人改革は、廃止・民営化が目的ではなく、それは目的を達成するためのプロセスである。改革の本来の目的は、廃止・民営化のプロセスを通
して、役割を終えた事業をやめたり、効率的な事業展開を進めることで、無駄な税金投入の連鎖を断ち切ろうというものだ。これを充分分かった上でも、組織温存と事業継続・新規事業展開を優先しようという官僚の姿勢が続く以上、彼らに期待しても無駄
である。
道路4公団は、「改革工程表」で、廃止・民営化の結論を年内に出し閣議決定する対象とされ、臨時国会の所信表明演説でも首相は同様の決意を述べている。多少乱暴ではあるが、もはや、民営化への道を決定してしまうしかない。そして、民営化の具体的スキームを固める中で、この約2500Kmの中身を一つひとつ厳しく吟味していくしかない。
道路4公団の民営化は、特殊法人改革のシンボルである。首相には、官僚や族議員の「抵抗勢力」を封じ込めて、一気に立法化を進める政治力が期待される。
日刊自動車新聞「直さんの永田町Wクリック」
(10月6日掲載)
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