財政の中期展望にみる財政構造の限界

<増加し続ける歳出と伸び悩む税収で、借金は3年後に10兆円も増加>
 先般、財務省は向こう3年先の国の財政見通しを示す「財政の中期展望」を公表しました。これは、平成13年度の予算および制度・施策を前提に経済成長率を2%と仮定した推計ですが、わが国の財政がますます危機的状況に向かっていくことを明白に示しています。歳出規模は、平成13年度の政府予算案82.7兆円から平成16年度では93.2兆円と10.5兆円増加します。その主要因は、社会保障関係費2.4兆円増、借金の元利返済(国債費)3.6兆円増などです。社会保障関係費は毎年4〜5%、国債費は6〜7%ずつ伸びる計算です。将来の高齢化の進展や金利上昇を考慮すると政府・与党が財政構造改革を放置してきた責任は大きいと言えます。
 一方、歳入の柱である国税収入は、13年度から16年度で0.6兆円程度の伸びしか見込めず、増大する歳出に対し、足りない分は借金に依存せざるを得ません。
 つぎに、国の借金(国債発行額)は、平成13年度政府予算案では28.3兆円ですが、平成16年度には、38.3兆円と10兆円も増加するというものです。
 表をみればお分かりのように、家計で言えば、支出のうち借金の元利返済に2割を使い、収入の4割を借金に依存しなければならない状況です。借金返済の額よりも借金が上回るという雪ダルマ式に累積債務が増加していく構図です。これだけ借金を重ねても一向に経済がよくならないのは、従来型の政策に限界があることの証しと言えます。

財政の中期展望(財務省)
 ※13年度予算における制度・施策を前提に経済成長率2%、金利3.2%(現在10年国債金利1.5%)と仮定して試算


<財政構造改革の方向性>
 民主党は、政策の柱に財政構造改革を掲げています。「官から民へ」「国から地方へ」の構造改革を進めながら歳出の効率化を行うことが必要です。例えば、不要不急な公共事業の見直しやコストの削減、地方分権の推進と地方交付税制度を見直し、自治体の財政の自立性を高めることや特殊法人・公益法人の見直しなど行政の効率化等々他にも広範に歳出の見直しを進めています。これらを経済動向を見極めながら進め、一般歳出を税収に見合う規模でバランスさせることが重要なのです。
 既得権益に縛られた政府・与党には、改革を期待できません。民主党は、責任政党として即座に財政構造改革に着手すべく着々と準備を進めているところです。

(2月中旬記)