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公益法人の見直しを
新しい世紀初の国会が1月31日から始まった。国会は本来、政策論争の場であるべきであるが、毎回のように自民党議員の疑惑が浮上する。今国会でも、KSD疑惑が最大の焦点になっている。
この事件は、典型的な政・官・業の癒着構造事件ではあるが、いくつかの特徴を持っている。
一つは、KSDの関連団体等を通じて政界に流されたとされる金が巨額で、その根が深いことである。
そもそもKSDは、零細・中小企業経営者のために、災害補償や福利厚生などの共済事業を行うことを目的に設立されたものであり、その意義は決して否定するものではない。
しかし、100万人余りの零細・中小企業経営者から、年間250億円もの会費を集めているが、実際に災害補償給付に使われているのは、80億円程度であり、残りの一部が、関連団体を通じて、自民党議員へのわいろや陣中見舞に使われていた。
それだけでなく、参院比例代表選挙の名簿登載順位に係る幽霊党員や党費立て替え、あるいは、政党機関紙への広告料名目で、自民党本体にも流れ込んでいた疑いが濃厚なのである。これが事実とすれば、零細・中小企業経営者が、苦しい中で捻出した保険の掛け金の一部が、自民党への不純な資金提供の原資として使われていたことになり、まことに由々しい事態といわざるを得ない。
2つ目は、KSDが公益法人であることである。
公益法人とは、民法34条で「営利を目的とせず、不特定多数の利益を実現するために許可される社団法人や財団法人」とされ、それが行う公益事業には税金がかからない。また、国の補助金を受けていなければ、法的には政治献金も可能ではあるが、その性格からも避けるべき、とされている。しかもKSDには、本体そのものにではないが、その傘下団体には、国からの補助金が支給されている。
このようなKSDに対し、監督官庁である旧労働省は、その監査では不正行為はなかったとしている。しかし、その旧労働省も、幹部が度重なる接待を受けており、多数のOBも天下っている。旧労働省も、ある程度実態を知りながら事実上黙認していたとしか思えない。
政府・与党は、公益法人改革を行政改革の柱の一つに位置付けており、KSD事件を受け、見直しに向けた動きも報道されている。しかし、結局は、おざなりの見直しに終わる可能性が高いともいわれている。「公益法人白書」によれば、公益法人は、中央、地方を合わせると、その数は約2万6000団体にも上り、そこへの役人の天下りは約2万1000人にもなる。これでは本当に厳正なチェックはできないと思われる。
とかく、役人の天下りの温床となっていると指摘される公益法人の抜本的な見直しを行い、今回のような事件が二度と起こらないようにするためにも、典型的な構造的疑獄事件として、KSD事件の真相を解明することが必要不可欠であると考える。
日刊自動車新聞「直さんの永田町Wクリック」
(2月3日掲載)
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