財政再建ができない与党

常態化し、財政規律が緩みっぱなしの補正予算
 国会終盤では、事業規模11兆円の「日本新生のための新発展政策」を具体化した総額4.8兆円の補正予算が提出されました。森首相は、その中で4分野、つまり「IT革命の推進」、「環境問題への対応」、「高齢化対策」、「都市基盤整備」に重点を置き、「時代を先取りした改革を推進する」としています。本当に効果があるなら、事業の重点化は大いに結構なことですが、実態はITをはじめとした重点分野の名を冠した公共事業の羅列と言われてもしかたがありません。その本質は、各事業に連なり、自民党の集票基盤でもある業界の事業量を昨年より大きく落ち込ませると、来年の参院選挙で票を減らす懸念があるからです。また、国と地方を併せた借金が642兆円(直近の大蔵省公表、国民一人あたり500万円超)という危機的状況にもかかわらず、借金を減らす努力をするどころか、この補正予算で2兆円もの借金を積み増し、バラマキしようとしています。財政規律は緩みっぱなしです。
 そもそも、「財政法」上、補正予算とは、災害復旧費など年度当初では予見しにくい追加経費を処理するために認められているのですが、バブル崩壊後のH4年以降、補正予算=景気対策となり、年度途中で補正予算を編成し、13回も経済対策(事業規模で合計134兆円)が実施されました。長期にわたり経済対策をやってきたにもかかわらず、現在の日本の置かれた状況をみれば、その経済対策が費用対効果の面で、果たして正しかったのか大変疑問です。

21世紀に向けて
 このような発想が続く限り、日本の財政赤字は、どんどん累増していき、負の遺産として21世紀に引き継がれます。また、先日、大蔵・自治両省は、来年度の国の財源不足は約30兆円、地方は約10兆円との見通しを発表しました。景気回復を軌道に乗せることは、もちろん大事なことですが、同時に、公共事業のあり方や国と地方の関係の見直し、社会保障制度や税制の改革をすることも喫緊の課題です。民主党は、経済構造改革に着手し、日本の経済を強くするとともに、財政の健全化も同時並行的に進めることが必要と考えています。私も来年は、新しい世紀を踏み出す年として、安心して働き、暮らせる国づくりに、決意を新たに努力して参りたいと思います。

(11月中旬記)