厚生労働省が所管する公的年金の積立金は146兆円(※1)にもなります。積立金の目的について「積立金の運用収入を年金給付に充てることにより保険料を軽減するため必要」と説明していますが、その運用内容は「保険料軽減」とは逆行するものです。
「資金運用事業」では、112兆円を預託している財政融資資金の貸し出し先の特殊法人などで、不良債権化している可能性が指摘されています。また、厚生労働省が自主運用する34兆円については、約6兆円の累積損失(※2)が発生しています。
「大規模年金保養基地事業」では、特殊法人「年金資金運用基金」がグリーンピア(全国13カ所)の建設・運営に約3700億円を投入してきました。ずさんな計画・運営だったため'05年度までにすべて売却・廃止が決まりました。病院や会館、スポーツセンターなどの福祉施設の建設も265ヵ所、累計で1兆5000億円にも上りますが、ほとんどは、赤字運営です。
さらに問題なのは、施設の運営が厚生労働省関連の特殊法人や5つの公益法人を中心に委託され、そこが天下り先となっていることです。しかも積立金を食いつぶした責任は誰も取っていません。
また、政府は'98年度以降、一般会計の歳出を減らすため、一般会計(税金)から支出していた年金事務費を年金保険料で賄うように付け替えを行ないました。「事務費」という名目のもとに解釈を拡大し、社会保険庁の職員用宿舎の建設や公用車の購入、職員の健康診断費用や海外出張旅費、さらには長官の交際費など、'98年度〜'03年度までに年金保険料から4000億円以上が年金給付以外に流用されてきました。
(※1)2002年度末、厚生年金(厚生年金基金代行分を除く)と国民年金の合計
(※2)2002年度末、2003年4〜12月は3.5兆円の黒字
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